この2両は既に優秀なキット、完成としてHO9でマーケットされており、何を今更と想うのですが、昔からどうしても作りたかった機種で、かつ私の大好きな2フィートの3トンクラス機関車であり、PowerMAXという強い武器もあることなので、思い切って1/87スケールでキット化しました。ラジエタ7列で、トヨタ台枠の極小加藤君はずっとやってみたいと想ってきたもので、かれこれ作ろうと想って20年近く経過しています。
そもそもこれを作ろうと想ったきっかけは、森林鉄道模型の大家のI氏から、これなんてE板でやってみませんかと植田建設の加藤の写真を送って頂いたことにあります。「一つ目小僧」との愛称でも呼ばれていた由。丁度、Webの黎明期の作品の「関電の加藤3トン」を出した後だったと思います。同じトヨタ台枠なのでやってみたらと送って頂いたのを覚えています。2フィートというのも触手をそそりましたが、当時は6.5mmゲージの極小のパワトラもなく、何かいいシャシはないかと探している内にあっという間に時間が経って、もう瀕死の老人に。バッティングするものは作らないと決めていたのですが、まあ生きている内に作っておこうと原図を起こし始めた訳です。
この植田建設の加藤ですが、今は成田闘争の煽りを受けて、焼かれてしまいもう現存しないそうです。E板はそんな背景もありましたので、採算度外視で妥協のない、作りやすいモノをと何度も何度も取り直しました。今回も裏へのパターン移設も積極的に行っています。主台枠はあっと言う間に出来てしまいます。
一つ目もよく写真を見ると、桟が入っており、それも表現しました。2フィート選択の場合、ボンネット内はPowerMAXで占められてしまうので、フ-ド閉止とし、HO9もKatoのユニトラムのパワトラ(別売り品は品切れ。勿体ないですが本体を買って外して使う必要があります)もぎりぎり主台枠内に格納出来ますので、腕の覚えのある人はフルボンネット、フルキャブを楽しんで頂くことも可能です。作例では昔市販されていたキャスト品を使っていますが、これも今はもう生産していないようです。何か適当なものを探すがプラ板でスクラッチをして頂ければ、フード開放版が作れます。加藤5トンと比べて、矢張り3トン機非常に小さいです。
同一E板内に同じ台枠に近い、ラジエタも7列3トンと言うこともあり、利根川の加藤を入れバリキットとしました。これは現存します。(続く)


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