静岡工場が早口森林鉄道のS-4を作りたいと言った時から色々考えて,残った懸案ですが,ウェルタンク.トッププレート上の不思議なものです.↓

ああコック弁ですわな,給水設備でも途中であったんでしょう,頸城2号もそうですがな,と静岡殿のアメリカのシェイでは,サイフォンポンプを使っていたよという声を「こんな現場改造品なんてアメリカは当てになりますかいな」と拒んできたわけですが,どなたかの御指摘もありました.再考せんとあかん.と思ってこの2~3日考えてきたわけですが,最も機構的に簡単なものが,蒸気を利用したタービンジェットポンプだと考えるようになりました.まあ,サイフォンを利用したものなのですが,新幹線とか,柵のこちらに居ても超高速で横を通られると圧力が下がって吸い込まれそうになりますね.あれを利用して水をくみ上げようとするポンプで,一番簡単なものは石油ファンヒーターのタンクに石油を入れるあのパフパフするやつです.一回吸い上げてしまうと後は勝手にくみ上げてくれます.但し,鈍くさいので,パフパフしていますが.学生実験なんかて,流水で真空を引くものもあったと思います.
発電機なんてあり得ないというのは最初から変えていなかったのですが,あのコンジットを均圧管と思ったのが間違いのようです.分配器(ターレット)から来た蒸気案内管と考えるのが自然なようです.Webからとってきた現在でも発売されているジェットポンプの図です.入り口で絞ると高速で噴出し,器内圧が下がって,水をくみ取ることが出来ます.恐らく,ストレーナ(フィルタの荒いもので,ワイヤメッシュとかの場合が多い)も入り口に付けていたものと思われます.ドラム缶についているロータリーポンプも考えましたが,手動ではともかく,蒸気動では機構が複雑になってしまいます.

しかし写真の蒸気の入り方では,ウェルタンクの真空を引いてしまうような感じも受けます.しっかり見えませんが,何らかの継ぎ手?か何かで下方に向かって蒸気を噴出させていたのでしょう.一回ぱっと開いて後は,そのまま待っていたのでしょうか.連続だと,ウェルタンクの圧力が上がってしまいます.
と何とはなく納得したのですが,どうもあの形は合点がいきません.このような形のジェットポンプがあったのかどうかはもう分からないでしょうね.大方,現場からこんなもん使えませんぜと言われて,営林署からオットー・ライメルス商会が解決策を請われて,簡単なジェットポンプを渡し,それを現場が付けたのかも知れません.こんなことは何も残っていないなろうな.誰も機関車史として興味も無かったし.まあ想像で,後はこれと同じような形のものを作ってウェルタンクのトッププレートに設置するだけです.発電機に見えてしまいます。でもこんな小さなものあったように思えないし。大体、ニーズも無かったように思います。
あ,庵原は今週で締めます.ふふふふ.箱詰めも動輪作りも後5つを残すだけになりました.。
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