今日はポーターが工場長から送られてきました。実はこれは私も作って生地完成状態にあったのですが、若干、配線等の処理が塗装を考えた場合、煩雑なので、改善頂きたいということで送り返していたものです。工場長と言えば、アメリカ型の大ファンであり、コレクターでもあります。昔の日本からのアメリカ向けの高級ブラス機関車は生地完成が多かったのです。当時ビッグボーイ等のArticulated locoを見ては、こんな高価な物、どんな人が買うのだろうと指をくわえて見ていたのですが、昔の記憶をたどっても、未塗装完成が多かったように思います。機能美を追求すれば、塗装も要らないのかとか思ったりしていました。
時にサンドブラスト等で表面の艶を消している物もありましたが、それにしても不思議なのは、半田の後が殆どない美しい表面であったということです。私も半田のはみ出しは嫌いで、接着面積の稼げる物は努めて接着剤に頼るようにして、出来るだけ素材の美しさを出したいと思って工作していますが、何時も破綻してしまいます。愛着のあるものは、1500番のペーパーまで順次細かくしていって最後はコンパウンドで鏡面しあげにしますが、一般の一寸作ってみたい程度のキットはそこそこ適当にしています。
今日送られてきたポーター8トンを見て、還って塗らない方がいいのかもとふっと思ったりしました。キャブが洋白なので、流石に塗らない訳には行きませんが、何か工場長の目指す物が少し分かったような気がしました。かの国アメリカでは昔作ったグラントライン(モーターの方がキットより高価!それにしても殆どプラというのは凄い)、最近では廉価版のバックマンのOナローものが有名ですが、グラントラインの精密ものをHOナローにほぼ忠実に落としているので、未塗装で還ってディテールが浮き出して良い感じがします。
この大きさではギヤ駆動が常識的になって来ますが、これも工場長の拘り。ギヤが見えるのが嫌で困難なロッド駆動にしたということです。私が組んだのは、モーターの回転を動輪に伝えるギヤが2枚しか入っていませんでしたので、本当にスムーズに無音で走っていました。今回のはキャブも固定してあるので、若干の音がします。「一寸音しまっせ」と電話で話したのですが、「バカモノ、お前が組んだ物は1点削りだしのシャシだ」と叱られてしまいました。ロストワックスキャストは収縮し、エッチングはどうしてもオーバーエッチングになってしまいます。今回はそれらを事前に評価して、材料を作った訳ですが、やはり一点削りだしの精度には適いません。とは言え、ギヤ駆動に比べ音も静かに良好に走ってくれます。一点削りだし物として、F&S工房ではFSKUがそれに該当しますが、極めて精度の高い模型になると思います。
なお、半径7mm程度の急カーブも楽々通過です。くるくる小さなエンドレスを回るのを30分程見てしまいました。昔飛びついて買った旧乗工社の当時好んでしていたコテコテ塗装のポーターと並べて撮影しました。模型として、それぞれの良さがあると思います。画像クリックで大きな写真がポップアップします。


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