Webの方の黎明期の作品にありますように,初めてキットというものを世に出したのは,レジン製の福岡の内燃機関車です.内容に関しては重複するので避けますが,現在までS模型様,Project-K様でエッチングを中心とした佳作がリリースされてきたのは,熱心なナロゲージファンの既に御存知のところでしょう.
寧ろ,最近は開発者の福岡駒吉の名を採って,「駒吉機関車」と呼ばれることが多い,この焼玉機関機関車は九州方面の3フィート軌道で活躍しました.焼玉機関は主に小型船舶に使われ,子供の頃「ポンポン船」と呼んだものですが,海外の模倣ではない日本で魁の内燃機関車は元工学者の心をそそります.私が最初にキットを志したモノは,後になって,「祐徳軌道」のものだと分かりました.その後,もっとしっかりした形でマーケットされたものは南筑軌道のもので,サイドにフライホイールの切り欠きがあるモノです.敢えて,出来の悪い私のレジンキットのアイデンティティを探すとするとそれは南筑ではない唯一の焼玉石油発動車となるのでしょうか.
先般,何と無く見つけたP社さんの作品の中に素晴らしい駒吉があり,我が目を疑った訳です.決して,PCに頼らない,スタンダードも含めた鉄道やストラクチャーの自由造形にこれは素晴らしいと早速,電話をしてみたのですが,その時,作者様は不在らしく,電子メールアカウントを家人の方にお伝えしておきましたところ,丁寧にメールで今は,もう止めているので・・・と丁寧なメールを頂戴しました.
体にこのようにボロボロなのに小形ナローへの物欲だけは衰えず,今年になって再度御願いしましたところ,駒吉だけマスターのやりかけが残っているので,送っても良いと言うことで早速御願いしました.床下も非常に忠実で,後の貨車を動力化して列車として動かす「ユーレイ」でしたが,余りこれを好まず,自走化することに決めました.1~2回,九州と京都の間をそれを巡って往復しましたが,こちらで適当な自走の処置をして貰っていいということで,自走化しました.
煙突と排障ネットはこちらで急こしらえ,軸受けはマスターが1個あったので何回か失敗してレジンで採りました.動力は例のkatoのユニトラムシャシです.少し惰行してよく走ります.外塗装はマスキングで剥がしてしまい,黒+アイアンで薄吹きしました.私の下手な写真ではなかなかお伝えできないのですが,今までになかった存在感があります.迫力のインテリアも凄い出来です.今までにはないSomething Newに毎日見つめています.これはNCの何とといっても表現できません.この素晴らしい作品の作者のI様との後日譚は,後ほど.

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