【近況報告】工場の方が本業のNC関係で余程の粘着の客に捕まっているらしく,電話すらつながらない状況です.私の企業時代にも居ましたが,Contractorの仕事を自分の身勝手(必ずしもそれをしなくとも,企業は困らない,自分はちゃんと厳しく管理していますよというスタンドプレー)に使われる客と遭遇すると災難です.下らないことでクレームを次々付けられ1日中対応に追われる。どこでもいるんですよね~こういうのが・・・最近はこういうのが重宝がられます.日本の衰退の1原因と思いますが.お陰様で工程が無茶苦茶です.
電話は今日やっと繋がって,工程表の見直しを依頼しておきました.色々、超精密をこの時期まで出すとでかい口を叩いて,御迷惑をかけて済みません.Sea lion工房の時は、自分のペースで出来ましたが、本当に辛いところです。
さてさて,こっちの方は待っていても何の生産性もないので,エッチング屋を色々探しています.同郷の業者さんと「高過ぎる」,「阿呆かこれでも最高の努力や」,「もっと勉強してえな」,「しゃあないな」とかの応酬で,やっと今までの10%~15%程のコストダウンが出来そうな雰囲気です.無論,産業用のところです.鉄道模型関係は納期を守って貰えない,抜きの特にエッジのダルさ,酸化で変質しやすい,細かいところが抜けない,精密にすると脱落原図となってしまう可能性がある,収差の出てしまうハードコピーでの受け渡し等の問題があり,一般産業用に拘っています.
多分,新エッチング委託第1号になるのは,コッペル10HPのCタンクです.写真のは仮の姿でこんな形ではありません.ウェルタンクでサイドタンクを増備したものです.仁鮒から早口に送られた森林鉄道用超小型コッペルで,FSKU-1が改造だらけなのに対し,こちらは未だ改造箇所は少なく,綺麗?なコッペルになろうかと思います.乗工社の木曽コッペルと比べても,2周りくらい小さいものです.キャブは間に合わせで仮組だけ下者ですが,シャシ構成はこんな感じになろうかと思います.弁装置は異常に細かく、組み立て作業困難なので、オプションとします.モーターはMaxonよりもさらに低回転,高トルクモータを予定しています.庵原のように高価にはしないように努力中です.半分とは行かないまでも,20%~30%のコストダウンを目指します.フレームのネジ頭は結構目立ちますが,サラネジ,黒に変えますので,さほど目立たなくなると思います.
ところで,このキャブ,実は最初に考えていた庵原のキャブなんです.3~4台組んだのですが,引っ越しで全部行方不明です.残っていたのが,このブラスE板から組んだものです.半田も上板には使っていない上に,延性でよれよれ(無論,製品は洋白です)ですが,金田さんの本を参考にして,恐らく日本ではキャブを塞いで居ただろうという予測に基づいて作ったものです.何度かの錯誤を経て,ほぼこの形式にキャブ決めかけていたのですが,実際に庵原のコッペルの写真が残っており,それを見るとキャブは吹き抜け,おまけに煙突は継ぎ足してありました.余りの小形に,そのままだと煙がもろに客車の窓を通過してしまうのです.唯,可成り不格好なので,カタログに近い長さとしました.正直、最後になってのこの変更は、大きな精神的・経済的負担でした。
早くお目にかけたいのですが,果たして工場に粘着している客がどうなりますか・・・



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