
今日は工場長からの投稿です。・・・
先にブログに掲載されたベビーバグナルに触発された訳でも無いのですが、取敢えず試作の試作品を紹介します。小型のサドルタンク機関車が好きな私、昔からほとんど関心の無かったイギリスの蒸気機関車ですが、後年になってその資料に触れる機会の有ったBagnallsの軽便蒸気機関車群, その中から小型のサドルタンク機関車、明治時代、鐡道連隊の訓練用に輸入されたこのいささか寸詰まりで少しユーモラスというかゲテモノ風の機関車に何か惹かれるものが有り, 友人K氏のリクエストも有って試作したのが写真の機関車です。
しかしその時点ではバガリー式弁装置の機構の詳細が不明で取り付けていません。この機関車もロッド駆動評価用試作、モーターも奢ってファウルファーバーを搭載、キャブを除く大半のパーツをロストワックスで構成したものでR70の曲線も楽々通過するなど、そこそこの性能だったのですが、何せコストが高くなり過ぎて製品化を躊躇していたのですが、最近になってようやくバガリー式弁装置のモーションが解明でき、プラネタリギアードモータを手に入れたことで、何時になるかは分かりませんが製品化のロードマップに載せられるところまで辿り着いた次第です。仮に実際にこれを製品化するとすれば、この試作で洗い出された制作上の課題を踏まえて、簡単に組み立て出来、且つ安定した走行を実現できる機関車を生み出す事が可能と考えています。しかし弁装置だけは激ムズかも!
・・・ということで、工場長には、極小バカリーなんかエッチングで抜けませんでと上周りのエッチングから起こしていますが、写真のキャブの線の出っ張りは、実は赤の2重線と思われます。イギリス蒸気もドイツ、アメリカ蒸気に隠れていますが、そこそこの数輸入されています。一般にこのような線はええい、ウザイと消されてしまったようなのですが、これは教練の使い物にならず、飾ってあったのか、塗装も綺麗なまま残っていたようです。
これをどうするかです。英国蒸気のライン塗装は非常に繊細です。自動車、飛行機ではデカルを作ってしまい、クリアオーバーコートで周りに馴染ませてしまいますが、その方法は鉄道模型では一般的ではありません。昔はイギリス本国にいい線を表現する材料があったのですが、些か使いにくかったし。インレタもやりたくないなとこちらはこちらで悩みは付きません。しかし、これで1/80の大きさで、未だ小さくなります。それにアラン式より遙かに困難な弁装置。昔、アウターリミッツってアメリカ番組あったけど正にその世界です。
現在、既に御予約を頂いているBagnall「エクセルシア」の量産と本機の試作を併行して進める予定ですが、元々2フィートの機関車ですが、この複雑きわまる弁装置のために9mmとして皆様にはアナウンスの予定です。
よい子の皆さんはこんなきついタバコは吸わないようにしましょう。誘われても吸っては行けません。せめて私のように1mgで。同じか?
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